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代表が思いのまま記載するコラム

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「感動を売るビジネスをしよう。」その1

ISSC コラムNO.16

私はブジTVの「ビフォー・アフター」が好きです。想像を超える感動をいつも感じます。胸がワクワクし、どうリフォーム設計をするのだろうかという興味のまなざしに自然になっています。
先日、本を買いました。「ニーズを聞くな! 体験を売れ! 」という本です。まさにビフォー・アフターの世界をビジネスの中で、どう生かしていけばよいのかが書かれているものでした。
このようなビジネスの考え方もあるのだなぁと思いました。私の少しの感動をみなさんにもおっそ分けです。今回もちょっとシリーズになってしまいますね。すいません。

第1章 ニーズに応えることと、物が売れることは違う !
 ガールフレンドの誕生日に「何が欲しい?」と聞いてそれをプレゼントする。しっかりニーズに応えているわけですが、もてない男の典型とも言えます。「感動」ないでしょ!
中に何が入っているか、ワクワクドキドキしながら、包装紙を開ける感動がないのです。プレゼントを渡す瞬間のトキメキは、一番美味しいところです。彼女の気持を創造して、演出できない男性は、モテませんよね。
 外車に乗っていて、やさしくて、言うことは何でも聞いているのに、ツヨシ君は彼女の恋人にはなれない。昔、はやった「アッシー君」と呼ばれていた男性たちですね。いい人なんだけど・・・やさしいんだけど・・・で終わってしまうパターンが多いですよね。
1. とてもやさしくていい人
2. 好かれようとして欲しいことは何でもしてくれる。
3. プレゼントの時は何が欲しいと聞く。
4. いつまでたっても男友達の一人。
5. 付き合っていても面白くないし価値も感じない。
これって、現在の売れない会社やお店の特徴と似ていませんか?
「何でもさせていただきます」とか言ってませんか?
「ご提案させてもらいます」とか言ってませんか?
「ニーズは何ですか?」と聞いていませんか?
「見積りだけでも参加させてください」とか言ってませんか?
「呼ばれたらハイハイといそいそ出かけて」行ってませんか?

こういう会社は多くの中の一つの会社でしかないということです。アッシー君が本命になれないのと同じように、そういうことをしている限り、「お客にとって本当に価値のある会社になれない。」ということです。
今までは、お客のニーズを聞くということは正しかったのですが、今は日本企業の60%以上が赤字です。これは、今までのやり方ではもう通用しないということなのです。

第2章 お客の声を聞くことと、ニーズに応えることは違うのです。
 多くの会社やお店は「ニーズ」という曖昧なものに振り回されているようです。消費者のニーズは何か?求めているものは何か?
マーケティング調査をして、欲しがっているものを探そうとしています。「品質が良くて、よりリーズナブル」が一般消費者のニーズで、だからといって、欲しくて買いたいものとはまた別の話・・という感じですよね。
 数年前に作った女子高生の声を聞いて、女子高生のブロジェクトで作った清涼飲料水は、売れませんでした。アメリカではある会社がインターネットを利用してユーザーの声を聞き、自動車をデザインしたそうですが、想像力のかけらも感じられないヒドイものだったそうです。コカコーラは素人が考えたものではありません。顧客がSONYにウォークマンを作って欲しいと頼んだわけではありません。時代劇のファンが池波正太郎に、鬼平犯科帳を書くように指示したわけでなく、映画ファンが黒澤明監督に、天国と地獄をつくってはどうかと提案したわけでもありません。消費者はみなさんが思っているほどの「想像力」を持っているわけではないのです。
売れている商品やお店は、消費者が提案したものではないということです。
 「G」マーク品(グットデザイン)は、あまり面白くないですよね。全ての意見を取り入れると、個性が薄まり、誰にも嫌がられることはないけれども、誰にも支持されない中途半端なモノになるという見本です。お店や会社も商品も同じです。個性のない中途半端な会社は、選んでもらえない。結果売れない(受注できない)、顧客がつかない。
消費者や顧客の声は大事です。とても重要です。でも、それと「ニーズに応える」ということは別なのです。
何も考えないで顧客の意見を聞くことは、顧客のことを考えないのと同じくらい「やってはいけない」ことです。お客の話をフムフムとただ聞いて、実現しようとしていませんか?

第3章 ニーズとちょっとした感動の相関関係は?
 若いOLを集客しようとして狙った「ケーキ付きランチ」。よくある商品ですよね。でも、結構失敗しています。ランチにコーヒーとプチケーキを付けて、同一価格にしたプランに、ちょっと満足している店長が、お客さんから、「プチケーキって本当にプチねぇ~」とか「こんな子供だましのデザート」とか、「これじゃなくて、あっちがいいんだけど」とか、結構いいたい放題いわれることがあります。解決策は、メニューから「プチケーキ付き」の文字をはずすことでした。このお店では、食後にコーヒーを出すときに、店長からのサービスですと言うセリフを付けて、プチケーキを出すことにしたのです。「わぁ~」とか「えぇ~」とか「やるじゃん」とか、ほとんどの人から感謝されました。さて、問題!! お店がやったことはどちらも同じことです。何故結果が違うのでしょうか?
わかりますよね。
 もう一つホテルの話。北海道の観光ホテルで、夜食サービスと朝のコーヒーサービスをしているところがあります。夜9:00頃、ボーイさんが部屋を回って、焼きおにぎりとお新香のセットを持っていくのです。お客の反応は、「夜食ありがとうございます」という感謝の反応と、「夜食なんかいいから、その分安くしてよ」という反応でした。何故か?
ツアーのパンフレットや部屋の案内を事前に見たお客さんと、知らなかったお客さんの違いなのです。プチケーキと一緒なのです。
このホテルは、すぐにすべてのサービス案内表示を削除しました。そして、「思いがけないサービス」というコンセプトに徹したのです。結果は口コミで評判は上がり、リピート客が増えました。
 「ニーズ:期待」があると、そのに応えても、満足できない部分で、嫌われることがあります。誕生日のプレゼントと同じですね。
第4章 提案営業してます? 受注につながる実績はどうですか??
 「ニーズを聞くな !!」では、B to Bでも一緒です。例えば、「提案営業」です。
はやり言葉のように、どこの会社も提案営業 ! 提案営業 ! と言っていましたが、即やめましょう。お客に
1.「ちょっとそのあたり提案してよ」とか言われてませんか?
2.「次回ご提案させていただきます」とか言ってませんか?
3.「是非、ご提案させてください」とか言ってますよね?
4.「今回は弊社にプレゼンの機会を与えていただきありがとうございます」とか言ってたりして。
これ、最悪なんです。どうして ? コンサル営業・提案営業は基本だと思っていましたよね。
プロポーザルとかいって提案書を作るのって結構時間が掛かっていますよね。時には、自社のノウハウの一部を記載したり、時間とお金が掛かっていますよね。でも時間やお金を掛けているわりには、なかなか決まらないのが、提案営業ですよね。何故でしょうか??
答え= 無料だからなのです。
お客様の担当者に責任が発生しないからなのです。無料の提案書なら、仕事が決まっても決まらなくても、リスクがありません。多くの企業が持ってくる提案書の一つというだけです。どんなにすごいノウハウの集積であっても、無料の提案書は価値がありません。
提案するなら有料にしてください。お客に、「こちらとしても是非一緒にやっていきたいビジネスです。ご提案しますが、提案は有料となっていますので、コンセプトデザインまでの提案で50万の予算を組んで貰えませんか」 予算化が無理ならば、やめましょう。
 「お客様は神様です。何でもやります。無料で提案します。」は即やめて、お客から選ばれるためには、我々もお客を選ばなくてはいけません。
有料の提案書は破られませんからね・・。売り込もうとすればするほどお客は買いたくなくなります。
お客と対等の関係になる営業をしていきましょう。
つづき

ISSCコラム編集長 有松勝美

第4章以降 体験を売る!!ということについていよいよ佳境に入っていきます。ご期待ください。

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