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代表が思いのまま記載するコラム

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「意思決定とは?NO2」

ISSC コラムNO.8

● 前回のつづきです。
● 藤田課長と社長とのやりとりには埋まらない溝があります。藤田課長の言っている事は正解なのですが、間違っているようです。基本的なスタンスがズレているのです。

プロジェクトの見通しを聞かれた藤田課長は、責任ある回答ができるまでに、今なお時間が掛かると主張しました。そして、社長に苛立ちを与えてしまいました。藤田課長には何が足りないのでしょうか?

それは予測と意思との違いなのです。予測とは市場がどのように変化するか、他社がどのように手を打ってくるか、などの見通しを立てることです。こうした予測能力が高いことを、「先見力がある」などと言います。

藤田課長が社長から問われているのは、インターネットでの別荘販売市場の予測でしようか?それとも売上の予測でしょうか?

いずれの答えも「ノー」のはずです。予測ではなく「リーダーとしての意思」なのです。

● 決断力のことを意思決定とも言いますが、リーダーに求められているのは、未来を正しく予測することよりも、意思を決定することです。藤田課長の誤解は社長から正しい予測値を求められているのだと理解している点にあります。

● 決断が正しいかどうかについて、二者択一のケースでは選択しなかったもう一方の結果は知ることは出来ないため、成功と失敗の定義を決めておくことが必要です。
● 関連の名言
「金がないから何もできないという人は、金があっても何もできない」
                     …阪急グループ創設者
 「あることを真剣に3時間考えて、自分の結論が正しいと思ったら、3年掛かって考えてみたところで結論は変わらない」
                                          …米大統領 ルーズベルト
 「決心する前に、完全に見通しをつけようとする者は、決心することはできない」
                        …アミエル(スイスの哲学者)
 「無理をしなければいかん。無理をした分だけ他社をリードできる」
                       …松下電器 社長

ISSC編集長 有松勝美


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