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代表が思いのまま記載するコラム

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「意思決定とは?NO1」

ISSC コラムNO.7

ソフトバンクの孫社長がナスダックジャパンに出資を決めたときは、たったの5分だったそうです。優れた経営者は意思決定が早いのです。ただし、優れた意思決定は「問いの正しさ」を求めることが重要と言われています。
「問いの正しさ」X「決断のタイミング」X「決断の正しさ」となります。
この辺をテーマに2回に分けて話を進めてみましょう。今回はその1です。



● 藤田課長は、ある会社の別荘販売のリーダーです。この会社ではインターネットを使ったマーケティングに取り組むことに決定しました。
藤田課長は社内でもインターネット通で知られており、その能力を買われて新事業のプロジェクトリーダーに任命され、早速チームを組織し、半年間の暫定中で数名のメンバーでスタートしました。

市場調査や他社事例の収集などで2ケ月程経過したときに社長に呼ばれました。

「藤田君、プロジェクトの記事録は読ませてもらっているよ。ところで一番肝心の質問だが、この事業はいつ頃どの程度の結果をもたらす見通しか、教えてくれないかね。」と質問されました。

そこで藤田課長は多少戸惑いながら、
「社長、まだそこまでの予測は立てられません。正直言ってインターネットの普及率がどこまで行くかも判らないなければ、他社のホームページがどの程度の成果を上げているかも充分にはわかりません。その状況の中でプロジェクトの見通しと言われましても…?」と口ごもりました。

社長は、すこし拍子抜けしながらも粘り強く質問を続けました。「せめて目標くらいは作れるだろう。期限と金額で目標を立ててくれないだろうか?」

藤田課長はそれも拒み、「社長、責任ある仕事をやらせていただきたいものですから、そうした数値目標もまだ設定できません。理由は先程申し上げた通り、情報不足なものですから。」
社長は不満を感じながらも適切な言葉が見つからない様子です。ふり絞るように言いました。「君はリーダーとしてこのプロジェクトをどうしたいんだね。単なる調査のプロジェクトでなく、成功させるためのプロジェクトにしてほしいと言うのが私の気持ちなんだ」

● 社長が熱くなっているのを感じたはずですが、藤田課長は冷静に「社長、お気持ちは良く判っております。しかし、無理やり目標を作ったところで根拠がありません。もう少し時間をください。」

「もう少しっていつまで待つのかね?」

「あと1ヶ月で目標を提出できると思います。」

● さて、皆さんは社長と藤田課長のやり取りを聞いてどう思いますか?
社長の要求は性急すぎる。藤田課長の意見はもっともだ。などの意見があるかと思います。===つづきはNO2で=====

ISSC編集長 有松勝美


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