今回で最終回です。
「皆さんにこんな視点で考えることも必要なのですよ」とか、「この視点でビジネスを組み立てたほうがいいんじゃないですか」という、ビジネスのヒントになればという意味を込めて書いています。
みなさんの脳の中の「海馬」にしっかり記憶させてほしいなと思います。(ちなみに脳の中で、「海馬」というところが記憶をしっかりと留める場所ですよ)
私はコンサルタントなどということをやっているので、いろいろな知識や視点で考えることが必要ですし、知識は人間を成長させてくれるので、大事なことだと思っています。
みなさんも常に新たな、そして広く、深い視点でいろいろ発想してほしいと思います。
予断でしたが、さてさて、最終回です。 いつか私もこの調子で本を書きたいなぁ~。
第13章 星の王子さまが教えてくれる隠された価値の隠れ場所
「体験」を作り出す。というビジネスのやり方がかなり分かってきたと思います。
ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化してきています。今までのやり方が通用しなくなってきています。だから、何が大事なのか? 皆さんは、星の王子さまの話は知っていますか?
砂漠に不時着した主人公が、本当のことしか知りたがらない王子様と出会い、愛や大切なことについて体験していきます。その中の場面です。
王子:「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ」
ぼく:「そうだよ、家でも星でも砂漠でも、その美しいところは目に見えないのさ」
王子:「うれしいな、君が僕のキツネと同じ事を言うんだから」
ぼくは、月の光で、王子さまの青白い顔を見ていました。ふさいでいる目を見ていました。
ふさふさしていた髪の毛が、風にふるえているのを見ていました。
そして、いま、こうして目の前に見ているのは、人間の外側だけだ。一番大切なものは、目には見えないのだ・・と思っていました。
現代のビジネスにおいても、一番大事なことは、「価値は目に見えないところにある」ということを認識することです。もはや、モノには価値がなくなってきているということなのです。大きな会社で資産を持ち、長年やっているなどということは、企業の価値とはならない時代になってきています。
ビジネスにおける価値とは、「頭脳」です。
これからは、手に職をつけるのではなく、能に職をつけることが重要です。
いかに「頭脳で勝てるか」「どれだけ創造的になれるか」「感性を形にできるか」
です。
第14章 これからやること、やらなくてはいけないこと。
第一に情報の収集と編集することが大事です。目的を持っていれば情報はいろいろと集まります。大事なことは、その情報を編集するということです。情報だけでは、ただ知っているだけということになるだけですから。
例えば、「高級店舗a」「低価格の店舗b」どちらも商売繁盛店です。これを消費の二極化が進んでいるんだな、と考えてしまうとダメです。同じ世代でも、a店でもb店で買っているし、何故かな?
価値が分かりやすいということかな? そうか、価値観が分かりやすいってことだ。ということは、個性的な店にしていけばいいのか?
などと考えを編集することが大事なことです。注意深く、深く考えれば、かならずキーワードが見えてきます。
第二にビジネスのスピードを上げましょう。現代のビジネスの世界ではスピードが大事な要素になっていることは分かると思います。シャカシャカ動けというスピードではないのです。判断・決断を早くしろということです。これについては、ちょっと「保留」ということ、多くないですか?
即やめましょう。これは時間があるときに検討しよう。などと考えて、未処理boxてんこ盛りになっていませんか?
YesかNoかの判断を早くするということです。最悪やってみて、ダメなら変更すればいいし、謝ってもいい訳ですから・・・
会議の資料作りに時間掛けるのもブーですね。当事者でないのにただ会議に出席させるのもブーですね。全社一丸となってこの苦境を乗り越えよう!!などというフレーズは、不要で、一人一人が頭を使って判断を迅速にして、二人前の仕事をこなしていくことが大事です。体は一つですが、頭はマルチで動かせますからね。
第三に、個性的になっていくことです。
机の上ではなかなか良いアイデアや考えや情報収集と編集はできません。仕事はテキパキと切り上げて、たくさんの本を読んだり、外で遊んだり、音楽聴いたり、自らがいろいろなものを感じ取ることが大事です。会議室でアイデアを出す会議や、事業計画を練るより、温泉で会議をしたほうがよいアイデアは出ますよね。飲みながらのほうが、遠慮しないで言いたいこと言えますよね。でも、いいっぱなしではダメです。主催者がキチンと方向付けと、まとめをしなくてはいけません。個性的になりましょう。
創造的になるためには、楽しく仕事をしよう!! 新たな体験の創造ができると思います。
エクスペリエンスマーケティング 分かってきましたか?
今まで、当たり前にやっていたことや、何の疑いもなく考えていたこと、常識だと思っていたこと、それは本当に正しいでしょうか??
「最も強いものが生き残れるのではなく」
「最も賢いものが生き残れるのではなく」
「唯一生き残るのは、変化できる者である。」 チャールズ・ダーウィン「種の起源」より。
ISSCコラム編集長 有松勝美